全ての人に「パパ活」が必要な時代

現代社会は、「父なる存在」が消えた社会である。過剰な情報と複雑化・多様化した価値観の大海の中で、私たちの生を意味づけてくれる「父」としての大きな物語や伝統的文化、聖典や絶対神は、もはやどこにも存在しない。「父なる存在」が消えた社会の中で、「パパ」を探す女子と、「パパ」になろうとする男子。そして「パパ」を信じきれない女子と、「パパ」になりきれない男子。これは他の誰でもない、あなたや私の物語ではないだろうか。自らの意思と責任で、性愛を含めた人間関係をデザインする勇気を持ち、そのためのスキルを試行錯誤を通して会得することを厭わなければ、たとえ「父なる存在」が消えた社会の中でも、誰もが自分の人生の主人公になれるはずだ。そうなれば、パパを演じることで自己承認欲求を満たしたり、パパに頼ることで経済的安定を確保したりしなくても済む。そう考えると、パパ活とは、男性にとっては「パパを演じずに生きていくための訓練」であり、女性にとっては「パパを頼らずに生きていくための訓練」なのかもしれない。私たちは、全ての人に「パパ活」が必要な時代に生きている。