自分の強みを活かして、自発的に楽しく働きたい

その一方で、成長意欲の強い美鈴さんは、目の前の仕事をこなすだけでは、次第に満足感が得られなくなってきた。「私のいた会社は、特定の領域に絞り込んだコンサルティングを提供している会社だったんです。ただ私自身、その領域だけだとつまらないというか。クライアント側にすごく信頼されて、他のこともやってほしいと頼まれる。クライアント側の会社の中に入り込めば入り込むほど、様々な課題の存在が耳に入る。しかし、自分にはそれを解決するためのスキルがない。クライアント側はコンサルとしてみてくださっているのに。それがすごく悔しくて、隔靴?痒という感じでした。これではダメだ、もっと自分が勉強できる環境に行かないと、と思って、再び転職活動をしました」転職活動を始めてまもなく、大手の外資系総合コンサルファームへの採用が決まった。一見順調なキャリアを歩んでいるように思える美鈴さんだが、入社後、大企業ならではの問題にぶつかった。「仕事量が多く、求められる質も高いため、ある程度の負荷がかかるという面はあるのですが、働いている人たちがいわゆる日本企業のサラリーマンなんですよ。年功序列的な部分があり、上下関係もしっかりある。組織としてのピラミッド構造もあって、新入社員はまず下積み。秩序があり安定的である反面、当然、個人の自由度は抑えられます。多くは『やらされている感』があるけど、上からの命令事項に従う。そこはみんなつまらないと思っている。でも、その中で自発性を持ち高いパフォーマンスをあげるというチャレンジングな環境です。経営者志望の私には、あらかじめ決められた幅の中でパフォーマンスをしなければいけないことが窮屈でした。それにも耐えることで成長できる部分もあると思うのですが、自分の理想として思い描いているのは、今まで交際クラブでお付き合いしてきたような経営者の男性です。広い社会の中で、自分の強みを活かして、弱みはむしろ忘れて、尖った能力を発揮している人たち。非常に魅力的である反面、ある科目は10点だけど、他は１２０点みたいなユニークな方もいらっしゃいます（笑）。自分の強みを活かして、社会の中で貢献して収入を増やして……。そういった男性たちの姿を見ていると、外に飛び出すことを躊躇し、会社の中に埋もれている自分がつまらなく思えてしまったんですね。自分の強みや個性も活かさずに、やりたいことを抑えて、自分が得意ではないこと、できないことを一生懸命やって。とても非合理的だなと。そうしたことを考えているうちに、自分が勝負する土俵を選びたいという考えが生まれました。将来的に達成したい自分自身に向かうキャリアパス、その過程も自分の納得する環境にしたい。私は、自分の強みを活かして、自発的に楽しく働く環境が好きだし、求めてしまう。これから新しい会社に転職をするのか、それとも独立するのか、もしくは今の会社で自分が思うように動いてみて、どのような結果になるか（笑）。まだ決めていませんが、どんな環境でも自分らしく働きたいと考えています」