人生をパパ活でデザインしていく
パパ活は、現代社会に生きる男女を取り巻く社会課題が凝縮されている世界である。だが、この世界から垣間見える社会課題をしたり顔で指摘するだけ、パパ活の世界で生きる男女の現状や行く末を憂うだけでは、あまりに物足りない。パパ活が社会課題を映し出す「鏡」であるならば、自らが映し出した社会課題を「光」に替えて反射することもできるはずだ。そこで、本書を締めくくるエピソードとして、自分の人生をデザインする手段としてパパ活を能動的に活用している女性の事例を紹介したい。三浦美鈴さん(29歳)は、外資系の大手経営コンサルティングファームに勤務している。170センチを超える高身長、首都圏の国立大学大学院卒の高学歴、そして道行く誰もが振り返る美しい容姿と、ドラマに出てくるようなエリートのキャリアウーマンだ。美鈴さんが交際クラブに登録したのは、4年前の夏。きっかけは婚活だった。「コンサルの仕事は、プロジェクトとプロジェクトの合間にガッツリ夏休みをとれるんですよ。当時は20代半ばだったので、この機会に婚活をしようと思ったんです。いくつかの婚活サイトに登録してみたけれど、自分に合わなかった。まだ結婚は早いのかもしれない、と実感した一方で、プライベートの恋愛関係だけでなく、もっと仕事寄りの人間関係が欲しい、と感じるようになりました。経営コンサルの卵だったので、経営者の人たちと個人的にネットワークを持つことで、彼らが何を考えているのかを勉強したい。それが交際クラブに登録したきっかけでした」交際クラブの中には、経営者や医師など、収入と社会的地位の高い男性が登録していることをうたっているところが少なくない。実際は大手企業の役員よりも中小企業のオーナー経営者が多いようだが、20代の若い女性が40〜50代の経営者に直接一対一で出会える数少ないルートの一つであることは確かだ。