「台本」通りにデートをこなす

「交際クラブは、規律だけではなく自律が求められる世界です」そう語る宮田さん(仮名)は、外資系の総合コンサルティング会社や大手人材派遣会社で働いていた経歴を持つ38歳。会話の端々から、経験に裏打ちされた知性を感じさせる男性だ。交際クラブにおける自らの体験を客観的に分析しながら、パパ活をしている多くの女性たちと接する中で得られた知見を、丁寧に語ってくださった。「こういうことを言うとメッチャ恥ずかしいのですが」と前置きした上で、井上さんは照れ臭そうに語り始めた。「僕はクラブで出会った女性とホテルに行く場合、初回は全て同じパターンで行うことにしています」すなわち、二人でホテルの部屋に入ってから行為が終わるまで、予めマニュアルを作成して、その「台本」通りに振る舞うようにしているという。
平日は仕事があるので、デートは基本的に土日になる。ホテルの部屋を予約した後に、女性にオファーを出す。オファーを出す相手は、原則25歳以上。それ以下の年齢に対しては出さないことにしている。理由は、20代前半の若い女性は人生経験も少なく、38歳の井上さんとは会話がかみ合わないからだそうだ。食事中にスマホをいじり出したり、TPOに合わせたファッションができていない女性もいる。ベッドの上でも、20代は身体が硬く、30代に比べて反応が悪い。「若い女性の良いところは、身体についた下着の跡が消えるのが早い、ということぐらいでしょうか」と井上さんは冷ややかに語る。井上さんの利用しているクラブでは、女性のランクは四つに分けられている。その中から、基本的には最上級ランクまたは上級ランクで、初日からお互いのフィーリングが合えば交際OK、かつ胸のサイズもCカップ以上の女性を中心に選んでいる。初回から誰でもホテルOKという女性では駆け引きを楽しめないし、高級デリヘルと変わらないからだ

パパ活の合理化を図り「台本」通りにデートをこなす記事一覧

高級ホテルのロビーで女性と待ち合わせて、ホテル内のレストランで食事。部屋は、同じホテルのエグゼクティヴスイートやプレジデンシャルスイートを事前に予約しておく。ちなみにこの時点で、セッティング料+二人分の食事代+室料+アップグレード代金+消費税を合わせて、既に20万〜30万円近くの費用がかかっている。「高いホテルを使うのも、戦略の一つです。貧乏臭かったら女性のテンションが上がらない。女性の気持ちって...

交渉が成立したら、宮田さんが先にシャワーを浴びる。その後、相手の女性がシャワーを浴びている時に準備をする。まず部屋のエアコンの設定温度を27度に上げる。部屋が寒いとお互い行為に集中できなくなるからだ。冷え性の女性に対する配慮でもある。照明はなるべく暗くして、女性から見えるように枕元にコンドームを用意しておく。最中の時間配分を管理できるように、常に時計を目に見える位置に置いておく。女性がシャワーから...

女性の中には「生でしてもいいよ」と言ってくる人もいる。他にも相手が複数いるからピルを飲んでいるのだと思われるが、性感染症が怖いので、初回はコンドームを着けるようにしている。ちなみにこれまで性感染症に罹ったことは一度もない。初回のセックスは、基本的に正常位のみで行うことにしている。「田辺まりこさんの本に『女の子からしてみれば、お好み焼きみたいにパンパン体位を変えられるのは嫌だ』と書いてあったので、初...

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宮田さんが交際クラブを利用するきっかけになったのは、とあるプロジェクトのマネジメントに成功して、手元にまとまったお金が入ったことだった。仕事もひと段落して時間的な余裕もあった時期だったため、以前から興味のあった交際クラブの世界に足を踏み入れることにした。宮田さんにとって、交際クラブでの女性関係は、どのような意味合いを持っているのだろうか。「一番長く関係が続いている女性とは、お互いに他の相手とデート...

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交際クラブの世界では、金に糸目をつけなければ、いくらでも新しい女性と出会うことができる。複数の女性と同時進行で付き合うこともできる。ここで重要になるのは、限られた時間の中で、どの女性と、どの程度の頻度で付き合うか、という優先順位の問題だ。宮田さんも、交際している女性たちに優先順位をつけて、ランキングで管理している。ランクの基準は、費用対効果の側面から決める時もあれば、一緒にいて楽しいと感じる度合い...

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一方で、相手に優先順位をつけるのは男性だけではない。女性側も、オファーさえあれば新しい男性とはいくらでも会うことができるのだから、付き合う男性を選ぶ目は必然的に厳しくなる。宮田さんも、2回目以降のデートでスケジュールのやりとりがうまく合わなかったりすると、「相手にとって、自分は本命ではないのだな……」と感じる時もしばしばあるそうだ。女性の瞳や会話の語尾に¥マークしか見えない、と感じる時もある。それ...

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フィクションの不可避性と重要性を強調する一方で、宮田さんは、「女性の演技は、男性は見抜けない」と考えている。「女性の身体って、その時の体調によって違うし、男ほど分かりやすいものではないので、ごまかそうと思えばいくらでもごまかせる。クラブの女性たちを見ていると『あれが完壁な演技だとするならば、すごいな』と思わされます。演技なのか否かの線引きは難しいです。また初回から『私たち、相性がいいよね』と女性か...

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そんな中で、交際クラブにおける理想的な男女の関係は、「高校生や大学生の恋人同士の関係」だと宮田さんは考えている。学生時代の恋愛であれば、結婚を含め、お互いの将来を意識することはない。ただ純粋に、お互いに楽しいから一緒にいるだけ。そこにお金の関係があるかないかの違いである、と宮田さんは語る。相手のことを考えてモヤモヤしたり、振り回されたりすることも、それ自体が新鮮で楽しい。たとえそれが苦い思い出であ...

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前述の通り、宮田さんは新規の女性と会う時は高級ホテルのスイートを予約しておくが、何らかの理由で女性が部屋に来なかった場合、代わりに高級デリヘルを呼ぶというリカバリープランを用意している。「常に失敗することを前提に行動していますね。それもプロジェクトマネジメントの一種なので(笑)。高級デリヘルで出会って、それから個人的な関係になった子もいます。こんなことばかり言っていると、後ろから刺されそうですが。...

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女性に対して、「クラブをやめてほしい」「自分とだけ付き合ってくれ」と迫る男性は少なくない。しかし、そうなったらもうクラブはやらない方がいい、と宮田さんは考えている。「考えてみてください。自分がお金を出してオファーしたいほど可愛い女性であれば、他の男性がオファーしないわけがないじゃないですか。女性に対して『クラブをやめてくれ』と言うのはカッコ悪い。むしろ、相手と良い関係を築いて、『この人と正式に付き...

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交際クラブにおいては、男性側はどうしても「これだけお金を払ったのだから」という気持ちに囚われがちである。そうした男性に対する宮田さんの言葉は手厳しい。「50歳の男性の1年間の価値と、20歳の女性の1年間の価値は全く違います。その貴重な1年間の中で、1日でも自分のために割いてくれるということ自体に、なぜ感謝できないのか。そこはきちんとリスペクトするべきでしょう。交際クラブでの関係も、いかに相手の立場...

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パパ活という言葉がこれだけ流行った背景、女性がパパ活に走る背景には、日本社会における中産階級の没落があると宮田さんは考えている。「キャビンアテンダント(客室乗務員)を目指している20歳の女子学生がいるとします。実家が裕福であれば大学に通いながらキャビンアテンダントの専門学校に行けますが、今の中産階級の親の年収では、まず無理じゃないですか。そこまでの学費は用意できない。バイトで稼ぐとしても、今度は学...

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一方で、男性がパパ活に走る背景には、男性の気持ちを分かってあげられない女性側の問題もある、と宮田さんは語る。「こういうことを言うと世の中の女性を敵に回してしまうかもしれませんが、パートナーの男性の操縦が下手な人が多い。仕事の失敗が男性のメンタルに与える影響を分かってあげられないんですよ。男性が仕事で失敗した時は、周りから見ると大したことないように見えるかもしれませんが、本人はとても傷ついていること...

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クラブで出会った女性と月極契約をしてお金を渡した直後、相手が音信不通になってしまったという苦い経験がある。「月極契約にして50万円まとめて払って、その後にバックレられた。でも、これは自分が悪いです。同じように苦い思いをした過去の先人たちが『女性には、決して月極で事前にお金を渡しちゃだめだよ』と口を酸っぱくして言っているのに、信じてしまった。『皆はそう言っているけど、この子だけは違う』と思ってしまっ...