出会い系の世界にどっぷりハマる

出会いマッチングサイトは、主に大手のYYC、そして2018年に新潟県知事の買春問題でも話題になったハッピーメールに登録していた。「どのサイトも、登録しては退会して、また登録する……という作業を繰り返すんです。新しい女性が登録すると、男性会員から尋常じゃない数のオファーが届く。そこから特定の相手とやりとりをして、実際に会う相手をスクリーニングしていくわけです。一対一で付き合う相手が見つかった場合、そのままサイトに登録しているのはバツが悪いので、一旦退会します。しばらくしてその相手との関係が終わったら、違う名前で新しく登録し直して、再び相手を探す……ということを繰り返すんです」気がつけば、洋子さんは出会い系の世界にどっぷり浸かっていた。そうしたサイトに登録していることは、夫には一切秘密にしていた。
「夫は、多分気づいていないと思います。何も言ってこないし……。もちろん申し訳ないとは思うのだけれども、これまでの二人の関係の積み重ねの結果なので、仕方ないかなと。夫は私を女として見ていないし、私も夫を男として見ていない。夫は浮気しそうなタイプではないです。仕事が終わると、家にまっすぐ帰ってくるような人。付き合い始めた時から、私は一切浮気はしなかったので、信頼してくれていると思います。私にとって、夫はすごく大切な家族で、かけがえのない存在です。夫がいてくれなかったら、生きていけない。でも、夫が私にとってかけがえのない存在であることと、今の恋愛は別です。裏切っていることがバレたら失うかもしれないけど、バレない自信はある。その自信の根拠はありませんが」

 

出会い系の世界にどっぷりハマるパパ活女子達記事一覧

「男性から頂くお金は『ガマン料』だと考えています」そう語る奥菜美里さん(44歳)は、知的な雰囲気の中にも屈託のない明るさがあり、非常に話しやすい雰囲気の女性だ。国内最難関の国立大学の理系大学院を修了し、現在は外資系の企業に勤務している。経歴だけを見ると押しも押されもせぬエリートであり、パパ活の世界とは全く無縁そうな印象を受ける。洋子さんは、26歳の時に現在の夫と結婚。夫との仲は円満であり、順風満帆...

そんな中、メディアでパパ活が話題になり始めた。パパ活という言葉を聞いた当初、洋子さんは「そんなものがあるんだ」「若い子を育てて助けてあげたいなんて、裕福で奇特な男性がいるんだなぁ」と感じたが、興味本位でSugarDaddyというサイトに登録してみた。同サイトは、「魅力的な女性を探しているシュガーダディ(男性)と、成功した男性を探しているシュガーベイビー(女性)の、上質な出会いを応援する」と謳ってい...

恵子さん自身は、これまでマッチングサイトで出会った男性に対して、自分から金銭を要求したことは一度もなかったという。向こうから「いくら?」と尋ねられた時は、「いや、いいです」と断っていた。「その人の後に出会った人たちに対しても、お金のことは言えなかったです。『いくら?』と言われても、すぐに自分を全部さらけ出すことはできなかった。お金をもらうことにも抵抗があるし、初対面の男性とすぐにそういう関係になる...

身持ちの堅い恵子さんだったが、パパ活というムーブメントが盛り上がってきている様子を見て、気持ちが揺らいだ。「ちょっとやってみようか」という軽い気持ちで、2017年の夏に大手の交際クラブに登録した。「登録して、本当にオファーが来るのかな……と心配になっていた時に、担当の社員の方から『もう一回面接に来てください』と言われたんです。『写真と動画が全てだから、撮り直しましょう』って」そして、交際タイプは「...

決して男性に対する要求のハードルを上げているわけではない。ベッドの上でのテクニックがどうこうではなく、「自分勝手な振る舞いをしない」「体臭がきつくない」「きちんと勃起する」といった最低限度の条件がクリアできていれば大丈夫です、と洋子さんは語る。「ただ相手のことを好きになりたい、というだけではなく、性的な行為も含めてその人との関係を楽しむ、ということがそもそもの私のコンセプトだったので、それが合わな...

交際クラブでは、「初回からホテルOK」にしないとそもそもオファー自体が来ない、という傾向がある。それに加えて、ミッシェルさんの述べるような「相性の合わなかった時の悲劇」が生じるとなると、最終的には大多数の男性・女性会員が、「初回からホテルOK」になっていく引力が働いているのかもしれない。ただミッシェルさんも語っているように、女性にとって「初回からホテルOK」に設定することは精神的な抵抗が伴う。男性...

女性が交際クラブに登録した場合、最初の数か月の間に男性会員からのオファーが集中する。ミッシェルさんも、登録してからの約半年間で7人の男性に会った。「最初はすごく忙しかったです。毎日のようにデート、デート、デート。せっかくのオファーなので、断らないようにしようと思って。男性側の情報は、クラブはほとんど教えてくれません。おおまかな年代と『恰幅のよい方です』『お医者さんです』『優しい感じの方です』といっ...

半年間のパパ活で、ミッシェルさんが手にした収入は、約70万円。副収入としては悪くない金額だ。デートのたびにどんどんお金が入ってくるので、最初の頃は「これで銀行からお金を下ろさずに生きていける!」と思ったそうだ。「特にお金に困っているわけではないのですが、大学院の奨学金を払わないといけなかったので、この収入で少し潤いました。美容院も遠慮せずに行けるようになったかな。パパ活の背景には、やはり収入の男女...

交際クラブは、男性と女性の間にすれ違いが生まれやすい世界である。ミッシェルさんも、男性会員と幾度かトラブルになったことがあったという。「ある男性から、『一緒に仕事をしよう』と言われて困ったことはあります。こっちの仕事にまで踏み込んでくる?と思って。とてもありがたいお申し出だけど、ちょっとなぁ、と。その男性とは最初のデートでホテルに行ったのですが、身体の相性が悪かった。これは無理だなと思ったので、2...

何度か逢瀬を重ねている中で、ある日、男性からLINEで「たまには、君が僕におごってくれないかな?」というメッセージが届いた。このメッセージに対してどう返信すればいいか、ミッシェルさんは非常に悩んだという。「食事をおごってでも、私はその人と会いたいのかな……と考えたんです。相手の男性のことは、それほど好きではない。でも会うこと自体は嫌ではない。お金が欲しいから行くわけではないので、仮にお金をもらえな...

驚愕コミュニケーションのすれ違いだけではなく、ベッドの上でもすれ違いは起きる。交際クラブで出会った男性とデートする中で、ミッシェルさんが最も驚いたのは、「マグロの男性」が多い、ということだった。「全然動かないんですよ。ベッドの上にど〜んと横たわって、『待っているんだけど、俺』みたいに言われて。これにはびっくりしました。これまでプライベートで付き合った男性にも、出会い系で出会った男性たちにも、そんな...

交際クラブを活用するためには、一定のリテラシーが必要だと言える。本音と建前の交錯や偏見の中で、気分が落ち込んでしまうようなことはなかったのだろうか。「交際クラブよりも、出会い系を利用していた時の方が病んだかな。変な人に会ってしまった時とか、『やりたいだけなんでしょ?』などの傷つく一言を言われた時に、『もう嫌だ』と思って退会することは結構ありました。本当は恋愛がしたい、ということが誰にも伝わらない。...

純粋な恋愛=純愛を目的としてパパ活市場に参入したミッシェルさん。今後、理想の相手を見つけることのできる手応えはあるのだろうか。「先ほどお伝えしたように、私はパパ活で頂くお金を『ガマン料』として考えています。ガマンをしなくなるような関係になった時、つまりその人のことが好きになったら、お金は要らない。一緒に居られるだけで幸せ。でも、お金の関係から始まった相手の場合、お金のない関係に移行するのは難しい。...

世間の価値観からは外れているということを自覚しつつ、自分の気持ちに真摯に向き合ってパパ活を続けているミッシェルさん。パパ活というと、シンプルにお金目的やセックスだけが目的で登録している遊び人の男女が多いという印象を持たれる方も多いかもしれない。確かに、遊び半分や冷やかしで登録している男女もいるだろう。しかし実際は彼女のように、年齢を重ねる中で、そして現在のパートナーとの関係を見つめなおす中で、一人...

交際クラブの存在を「満たされない結婚生活を送る人の弱みに付け込んだビジネス」と考えるか、「構造的欠陥を抱える婚姻制度を補完するための有用な社会資源」と考えるかは、判断が分かれるところだろう。純愛を求めれば求めるほど、身体を重ねる人数が増えていき、特定の相手との関係を維持することが難しくなり、ますます純愛から遠ざかる……というジレンマ。純愛を求める人にとって、交際クラブの世界は完全な袋小路である。し...