稼ぐために、止まることなく過激な方向へ向かう
「メインの仕事は着エロ(=マイクロビキニや紐下着など、着衣ではあるが露出度の極めて高い状態で、際どいポーズの写真や映像の撮影を行う仕事)の撮影会だったのですが、私、そもそも着エロというものが何なのか知らなかったんです。最初は露出を抑え目でやっていたのですが、お給料が事務所・スタジオ・私との間で三等分されるので、全然稼げない。もっと稼ぐためには露出度を上げないといけないので、結果的にどんどん過激になっていって……。撮影会の報酬は、50分4000円でした。休憩は全くなし。最初に終了時間を決めていても、途中で『もっと延長できないか』と聞かれて。私も稼ぎたかったので、依頼があると応えたいと思ってしまう。もっと頑張れる、まだ頑張れる……と働き続けて、ひどい時は10時間で1分も休憩がなかったこともありました。撮影が終わって、着替えたらすぐ次の撮影、という感じ。
途中で休んでもダメとは言われないだろうけど、カメラマンは1時間ごとに変わるので、時間がとても貴重で。こっちとしてもお待たせするわけにはいかないので、結局休めなくなってしまう。当時のスタジオは、私が辞めたら潰れると言われていたくらい、他の子がお客さんを呼べていないところでした。オーナーも私だけでお客さんを呼ぼうとしちゃって、『もっと出られないか』としつこくて。断ると露骨に態度に出してくる。それなのに、売上や給料の正確な金額は、私には全く伝えられていませんでした」そうしたブラックな労働環境でハードワークを続ける中、マネージャーに襲われる事件が発生する。「イベントで泊まり込みの仕事に行った際に、マネージャーに襲われたんです。その事件の後も、マネージャーからは『お前』呼ばわりされて、『お前は本当に人の気持ちが分からないんだな』と人前で怒鳴られたり、お客さんの前でも暴言を吐かれたりしました。私もいい加減に切れて、『なんでそこまで言われなきゃいけないんですか?』と言い返したら、『お前が他の男に囲まれていることに嫉妬してしまい、こういう言い方しかできなくなるんだ』って言うんです。マネージャーがタレントに嫉妬してどうするの、と呆れました」